こんにちは、BSIの緒方心太郎です。
TPM、総合的生産保全については、製造業、プラント産業界の方にはなじみ深いものと思いますが、その概念が国際的なガイドラインとして規格化されていることはご存じでしょうか?TPMに関する規格、PAS 1918は2022年7月31日に発行された比較的新しい規格です。
TPMそのものの概念と、実施に当たっての全プロセスにおける推奨事項が、網羅的に明示されている有用なガイドラインです。TPMに関する活動は日本企業では活発に行われてきましたが、このPAS 1918は技術継承や新人教育も含め、体系的な理解を促進するために非常に効果的であり、注目されています。
IATF16949の不適合とTPMの関係
自動車業界固有のセクター規格であるIATF16949の認証審査では、ISO審査と比較して不適合所見が多数検出される傾向にあります。規格の適合性だけではなく、マネジメントシステムのつながりとして不良品や生産効率性に影響する要素も不適合所見の対象となるためです。IATF16949ではTPMに関する要求事項も存在しますが、この点での重大、または軽微な不適合検出数は、グローバル全体の不適合トップ10以内に度々登場します(※BSIデータによる)。この要求事項対応のための前提知識として、PAS 1918の理解は効果があるものと考えられます。
BSIグループジャパンは、公益社団法人 日本プラントメンテナンス協会(以下「JIPM」)からの依頼に基づきこのPAS 1918を発行し、トレーニングサービスを提供している国内唯一の審査機関です。
緒方 心太郎
自動車セクター規格 IATF 16949、航空宇宙防衛産業セクター規格AS/EN/JIS Q 9100を中心にモビリティ業界の規格を担当。
PAS 2060/ ISO 14068 カーボンニュートラル実証、ISO 27001情報セキュリティマネジメントシステム規格などモビリティに関連する規格サービスの総合提案を行っており、ISO21434 自動車サイバーセキュリティ規格、TISAX®審査サービスの立ち上げなど新規サービス開発も担当。