IATFの承認取得・維持ルールについて(ルール5からルール6へ)
皆さん こんにちは、BSIの宮路です。
今回はIATF 16949の承認取得・維持ルールについてご紹介をいたします。
IATF 16949には要求事項の他に『IATF 16949の承認取得・維持ルール』といったルールブックがございます。こちらのルールは、主に審査機関に求められるお作法が記載されたルールブックですが、審査を受けるために必要な条件や書類等が記載されておりますので、受審組織様もお手元にご用意いただくことを推奨しております。
さて、こちらのルールブックですが、24年4月現在は『承認取得・維持ルール第5版(通称ルール5)』が適用されておりますが、25年1月に新しいルールでございます『承認取得・維持ルール第6版(ルール6)』が適用される予定で、それに先立ち本ルールは、24年4月1日に発行されております。
全体の印象として、以下があげられます。
- あるルールを適用するために必要な条件が、読み手によって解釈が異ならないようにする為に、より明確となった
- 受審組織様がIATF 16949をより深く理解いただくためのルールに変更された
- 審査の時間を十分に確保するためのルールに変更された
今回は、最新版のルール6につきまして、少しだけご紹介さていただきます。
1.1.b)拡張製造事業所を伴う単一の製造事業所
どういった製造サイトが拡張製造事業所に該当するかが明確になりました。わかりやすい例で申し上げると、距離が10マイル以下、自動車での移動が60分以内など、具体的な条件が記載されております。
2.5.2)利害の対立
ルール5に記載のあった”予備審査”の項目がなくなりました。本項には予備審査はコンサルティング行為に該当するといった旨の記載があり、予備審査の実施は禁止となります。
3.1 審査機関と依頼者との法的効力のある契約書
受審時にコンサルタントは直接及び間接(WEB等)を含めて参加ができなくなります。
引き続き、本コラムにてルール6の簡単なご紹介を継続させて頂くとともに、BSIではルール6に関する簡単な解説動画をYOUTUBEにて閲覧ができるよう準備を進めております。無料セミナーのようなお申込み等は不要ですし、無料で公開致しますので、気兼ねなく覗いていただけますと幸いです。公開時期は本コラムに掲載する予定でおります。
BSIグループジャパンは、IATF 16949審査のリーディングカンパニーです。
宮路 晃弘
自動車セクター規格 IATF 16949、航空宇宙防衛産業セクター規格AS/EN/JIS Q 9100を中心にモビリティ業界の規格を担当。
PAS 2060/ISO 14068 カーボンニュートラル実証、ISO 27001情報セキュリティマネジメントシステム規格などモビリティに関連する規格サービスの総合提案を行っており、ISO 21434 自動車サイバーセキュリティ規格、TISAX®審査サービスの立ち上げなど新規サービス開発も担当