AS 9100、EN 9100、JIS Q 9100、AS 9120、EN 9120、SJAC 9120
こんにちは、BSIの緒方です。
今回は、自社に適した規格はAS/AE 9100？それともAS/AE 9120？と迷われるポイントについてお伝えします。9100は製造業向け、9120は販売業者向けの規格ですが、活動内容によってはどちらが適切か判断に迷うケースがありますので、下記のような販売業者が対応していることがある事例を用いながら説明しようと思います。
例1：長尺の製品を切断して短い単位で販売している場合
加工に該当するので、これって9100でしょうか・・というお問合せが大変多いです。
これは規格書にも明記されており、「分割（ splitting ）」といって販売業者が通常行う行為です。分割に付加価値はなく、製品の特性にも影響がない場合は9120の適用範囲になります。用語定義の説明としては下記の通りです。
分割（splitting）：
製品の特性又は適合に影響を与えずに行う，物理的な，又はバッチ（ロット）数量による製品の分割。
例2：顧客の注文書に従って、顧客指定の業者に指定製品仕入れ後に熱処理
及び非破壊検査を外注してから納入している。
この場合、販売業者は全て顧客の指示に従って外注業者に発注だけしており、その外注業者の管理もしていないため、自組織が責任を負う活動では製品に付加価値がついていません。販売業者は物流の構築と納入に付加価値をつけているため、そこには製品特性に影響がなく、9120の適用範囲で実施可能と考えられます。
例3：製品の熱処理及び非破壊検査を自社で選定した外注先で実施してから
納入している。
例2と違って、販売業者が外注先の選定、評価、管理を実施している場合は製品に影響のある行為（販売業者は製造プロセスに該当する管理責任を負っている）を実施しているとみなされます。そのため、9120は適用できず、9100が適切であると考えられます。
少し難しいですが、以上のように製品の特性・適合に影響を及ぼすことを自らの責任で実施しているかどうかを考えてみてください。とはいえ、自社の認証範囲は9100か9120か分からない・・という時には、まずはお気軽にBSIまでお尋ねください。
BSIグループジャパンは、AS/EN 9100,9110,9120審査のリーディングカンパニーです。
緒方 心太郎
自動車セクター規格 IATF 16949、航空宇宙防衛産業セクター規格AS/EN/JIS Q 9100を中心にモビリティ業界の規格を担当。
PAS 2060/ ISO 14068 カーボンニュートラル実証、ISO 27001情報セキュリティマネジメントシステム規格などモビリティに関連する規格サービスの総合提案を行っており、ISO21434 自動車サイバーセキュリティ規格、TISAX®審査サービスの立ち上げなど新規サービス開発も担当
