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BSIの新たなモデルが世界の企業のAIへの対応力を評価、
調査回答者の76%が、AIへの取り組み不足が競争上のデメリットになると回答
業務改善と規格開発を推進する英国規格協会(The British Standards Institution、以下「BSI」)は9市場(オーストラリア、中国、フランス、ドイツ、インド、日本、オランダ、英国、米国)で7業界(建築、食品、医療、ライフサイエンス、小売、テクノロジー、輸送)のビジネスリーダー932人を対象に行った調査結果を発表しました。
本調査によると、AIに対する企業の関心は高いものの、AIの利用を奨励している企業の割合は76%でした。AI利用を最も奨励しているのは中国の96%、次いでインドの94%でしたが、日本は54%と最も低く、世界と比較してAI利用に対する意識の低さが明らかになりました。中国とインドはAIを業務に円滑に統合し、その結果から生じる仕事の変化に対して人員配置を考慮するなど社会の進歩を促す力としてAIを活用する準備がより高いレベルで整っています。日本におけるAIの利点を活用する自社のビジネス能力に対する自信についても、日本は50%、中国は96%と同様の図式が浮かび上がっており、AIに対する信頼感のギャップが見られました。
BSIのAI成熟度モデルは、世界の企業におけるAI導入に対する組織の信頼度や準備態勢を含む一連の指標を評価し、重み付けを行い、1から5の間でスコア化するものです。その結果、最もAIが成熟していない市場は日本で1.06でした。一方で最も成熟している市場はインドで4.58、また2位の中国は4.25でした。すべての指標において、中国とインドがリードし、米国が3位、オーストラリアが続いています。
本調査では、AI導入の成功には何が必要かという認識と、具体的な取り組みとの間にギャップがあることが明らかになりました。日本のビジネスリーダーの62%が、組織がAIに投資しなければ競争上不利になると考えています。しかし52%は、AIツールに対する企業の投資が十分でないと感じています。また、75%が安全で倫理的かつ効果的な使用を保証するためのトレーニングを提供することが重要であると感じ、82%は企業が雇用を守るためにAIツールを活用するチームを訓練するべきだと感じている一方で、自社がそのようなトレーニングを提供していることを実質的に認識していると報告したのはわずか23%であり、自社に特定の学習・開発プログラムがあると答えたのは21%のみでした。
BSI Japanの代表取締役社長である漆原 将樹は、次のように述べています。
「BSIの国際的なAI成熟度モデルは、AIの可能性と社会の進歩を促す力としての期待に胸を躍らせている世界について、肯定的でありながら微妙な違いを描き出しています。一部の国や分野では前進していますが、他の分野では信頼と信用を築くための道のりがまだ続いています。AIが生活と仕事の未来に不可欠なものとなるにつれ、基準、トレーニング、保証への投資が鍵となります」
BSIのCEOであるSusan Taylor Martinは、次のように述べています。
「このモデルは、AIに関するこれまでの道のりの分岐を示していますが、AIの大量導入と仕事や生活への統合は、スプリントではなくマラソンです。成功とは、一番になることではなく、信頼を築くことです。BSIは、AIの安全で倫理的な使用のためのガードレールを形成する役割を果たすことを約束します」
注目すべきは、AI戦略を策定している日本の企業が21%にとどまっていることです。また日本の62%がAIに対する倫理的アプローチの重要性を認識しています。BSIは先日、AIの安全、安心かつ責任ある利用を可能にするために設計された対策パッケージとともに、初の国際的なAIマネジメントシステム規格(BS ISO/IEC 42001)を発表しました。しかし、そのようなポリシーやプロセスの導入に向けた企業の重要な動きを認識しているのは、わずか17%でした。
BSIはまた、日本のビジネスリーダーがAIの可能性をどこに見出しているかを調査し、53%が生産性と効率性の向上が主な機会であると回答しました。また、38%はサイバーセキュリティのサポート、リスクの特定と管理に利用されると予想しており、さらに30%はAIが特定の職務を変更したり、代替したりすると予想しています。
セクターによっても明確な違いがあります。雇用主が現在AIに投資していないと回答したのは、テクノロジーがわずか4%であるのに対し、医療は40%と突出しています。これは、AIが効率性と生産性を向上させるという楽観的な見方が医療では高い水準にあるにもかかわらず(62%)、運輸(51%)、小売(53%)、農業(46%)の回答はより慎重なものでした。
本調査によると、世界全体の83%がAI利用についてサプライチェーンに情報を提供することの重要性を認識しており、顧客についても82%が同様の回答をしています。しかし、自社のビジネスがAIの利用についてサプライチェーンにかなりの量の情報を提供していると回答したのはわずか3分の1であり、顧客にAIの利用について同程度の情報を提供しているのはわずか26%にすぎません。
すべての市場とセクターにおいて、大多数が、企業は社会におけるイノベーションを促進・支援すべきであると考えており、特にライフサイエンス(94%)やテクノロジー(91%)のようなイノベーションを重視するセクターでは、より広いエコシステムにおいてAIへの信頼を喚起するために企業が果たす役割が強く認識されています。日本では一部の仕事が変わったりなくなったりしても、AIツールを取り入れるべきだと答えた人は69%とやや少なく、労働力の変化に対する認識と、おそらく若干の不安が浮き彫りになっています。また、62%が、イノベーションは既存の雇用を守ることよりも重要だと考えています。
BSIは、AIを社会の進歩を促す力として実現するために、企業がどのように行動すれば、自社のエコシステムとより広い社会全体でAIに対する信頼を形成できるかを検討するための4つの重要なポイントをまとめています。
調査の詳細はこちらをご確認ください。
URL:https://www.bsigroup.com/en-GB/insights-and-media/campaigns/ai-for-good/
9つの市場、7つのセクターにおいて、さまざまな規模の企業のビジネスリーダー(マネージャークラス以上)932人に、投資やコミュニケーションなどさまざまなテーマでAIに関連する20の質問を行いました。これらのテーマに対するさまざまな回答は、国際的なAI成熟度モデルのカテゴリを形成するためにグループ化されました。このモデルでは、異なる市場、セクター、規模の企業に属する個人からの回答を平均し、1から5の間でスコア化しました。
スコアは、関連するデータセットをグループ化することで認知されている成熟度を示し、回答者がすでに実施していると回答している行動と、自社のAI導入に対する期待や態度の対比を示すものです。
本調査は2024年3月にYonder Consultingが実施し、モデルの開発・制作はBursonによって実施されました。