変革計画に関係する全従業員を関与させるコラボレイティブなアプローチを採用すれば、計画は成功に近づきます。
このインタビューでは、BSIの元リード規格開発マネージャーであるSally Swingwoodが、意思決定を行う際に従業員と協議することによってどれだけ業務効率が高まるかについて説明します。
この記事を読むと、次のことがわかります。
• 意思決定に従業員を参加させることが、組織にどのような利益をもたらすか。
• 効果的なコラボレーションとコミュニケーション・テクニック。
• 効果的なコラボレーションを阻む障害。
協議と参加が重要である理由
Sally Swingewood: 「従業員による協議と参加は、単に有益なだけでなく不可欠です。
「職場のウェルビーイングへの包括的アプローチを通じて業績を向上させようとする組織は、遠く離れたところにいる幹部チームや外部のコンサルタントの遠隔観測に頼るだけでは失敗するでしょう」
有効な協議と参加とはどのようなものでしょうか。
Sally Swingewood: 「有効な協議と参加とは、信頼の文化を構築することです。それは、皆が発言してよいと感じ、自分の懸念が何であるか、それに対して何をすべきかについての考えを本当に正直に話すことができる安全な文化です。
「有効な協議と参加はインクルーシブです。役職や職場の場所、勤務時間に関係なく、すべての人が含まれます。シフトワーカー、リモートワーカー、オフィスワーカー、工場労働者も含まれます。それは限定されたグループではありません。なぜなら、その限定されたグループは、ほぼ間違いなくすべての問題を理解してはいないからです。大事なのはインクルーシブネスです」
雇用主はどのようなツールやテクニックを使うべきでしょうか。
Sally Swingewood: 「協議と参加の方法は一つだけではありません。全員を参画させ、必要なフィードバックを引き出すために使用するツールやテクニックは、あなた自身、あなたの状況、そしてあなたの従業員によって異なります。
「従業員との協議では、次の方法を組み合わせて使用することを検討してください。
「直接顔を合わせて行う方法― 特に労働安全衛生等の分野では、予定された面談、非公式な立ち話、または正式な会議の形で協議を行うことができます。グループまたは全従業員を対象に、フォーカスミーティングを行ってもよいでしょう。従業員をワークグループに割り当て、心理的健康や安全といった特定の問題に取り組む方法を検討することもできます。
「従業員の代表を通じて行う方法 ― 面談方式で従業員代表と協議することもできます。従業員が多い場合はこの方法が現実的かもしれません。あるいは、そのための正式な労働者委員会を設置してもよいでしょう。委員会の場合は、(インクルーシブで、全従業員の代表が必ず含まれるようにするための)仕組みと構成、議題、サポートの要件を検討する必要があります。
「間接的に行う方法 ― 従業員アンケート、提案制度、掲示板、ニュースレター、ウェブサイトなど、さまざまな仕組みが利用できます。従業員の意見を吸い上げるために専用の電子メールアドレスや電話回線を手配してもよいでしょう」
協議と参加の望ましい頻度を教えてください。
Sally Swingewood: 「繰り返しになりますが、それは組織とその背景によって異なります。ただし、成果が現れるような頻度でなければなりません。重要な決定、つまり、自分たちに本当に影響が及ぶ決定に従業員が関与できるようにしてください。
「些細なことについては必ずしも協議を行う必要はありませんが、重要な案件については有意義な意見が必要です。その決定によって影響を受ける人たちの意見を慎重に検討する必要があります。その人たちは関連するすべての問題、メリットとデメリットを理解する必要があります」
効果的な協議を阻む障害は何ですか。
Sally Swingewood: 「特に外国で労働者を雇用している場合は、識字能力や言語の障壁を克服するために通訳を確保しなければならない場合があります。
「多様な従業員がいる場合、どのような協議でもカルチャーフィットが重要です。わかりやすいインフォグラフィックや写真を使い、文化の多様性や異なる勤務形態を考慮した効果的な双方向コミュニケーションの時間を確保してください。
「問題や懸念を報告した場合に、従業員が懲戒処分や解雇などの報復を恐れる必要がないようにしてください。しっかりした内部告発ポリシーその他の匿名通報制度は、従業員の関与の促進に役立ちます。
「最後に、最も見落とされやすい重要なステップの一つは、協議プロセスそのものについて意見を集めることです」