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    ソーラーパネルが設置されたビルの屋上に立つ人々
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      サステナビリティ

    エネルギー貯蔵はネットゼロ実現へのカギとなるか?

    エネルギー貯蔵市場は発展し始めたばかりですが、ネットゼロへの移行を可能にする上で重要な役割を果たす可能性はあるのでしょうか?詳しく見てみましょう。

    ネットゼロを目指すグローバルかつ持続可能なエネルギーソリューションの再考

    各国政府がネットゼロ排出の達成にエネルギー貯蔵が果たす重要な役割を認識し、持続可能な未来に向けた投資とイノベーションを推進することで、グローバルなエネルギー貯蔵は変革を遂げるでしょう。この記事では、世界中でこの市場がどのように発展しているかを探ります。

    イギリスでは、従来の公益事業会社ではなく民間投資家がこれらの資産を所有し、グリッドストレージへの投資に注力しています。しかし、「BTW(ビハインドメーター)」ソリューションと呼ばれる顧客側の資産の開発は、あまり進んでいません。

    一方、オーストラリアのアプローチは大きく異なり、送電網(グリッド)自体の改善にはあまり重点を置いていません。これは主にオーストラリアの商業企業のエネルギーコストが高いことに起因しており、企業が本質的にミニ発電所として機能する独自の分散型エネルギーシステムを構築するよう促すものです。

    米国のカリフォルニア州と北東部地域で、送電網と「BTW(ビハインドメーター)」の双方で大きな進歩を遂げました。一方、ドイツにはグリッドソリューションに重点を置いた短期の二次市場があります。

    各国の道のりは、その国の政策環境によって異なります。しかし、今後5~10年で、ほとんどの国が集中型発電から分散型エネルギー システムへと移行すると考えられています。

    発電の分散化

    天候や日照時間によって左右される再生可能エネルギーの利用が拡大すると、エネルギー供給の不安定化につながります。しかし、余剰エネルギーを貯蔵してピーク時の需要時に供給することで、エネルギー貯蔵は対策として機能し、エネルギー価格を効果的に安定化させます。

    つまり、ネットゼロエミッション実現に向けた競争において、エネルギー貯蔵がカギを握るメリットになります。

    エネルギー貯蔵システムのもう一つの大きな利点は、集中型発電から分散型ネットワークへの移行をサポートする役割です。現在、イギリスの分散型発電は約31%を占めており、エネルギー貯蔵により、ソーラーパネルなどの分散型エネルギー資源を使用する産業や消費者は、地元で生成されるエネルギーを最適化できるようになります。

    再生可能エネルギー発電の需要に合わせて、エネルギー貯蔵システムを成長させることで、持続可能なエネルギーソリューションが発展するための肥沃な土壌を作り出し、クリーンエネルギーの利用を最大限に高めることができます。

    ソーラーパネルからスマートストレージまで

    イギリスの組織の3分の1は、すでに費用対効果の高いソーラーパネルを導入し、日中のエネルギー消費を制御しています。 ソーラーパネルは、再生可能エネルギーの中でも最も費用対効果の高いもののひとつと考えられています。

    さらに一歩進んで、組織はスマートパワーステーションの導入により、その能力を強化できる可能性があります。

    この高度なアプローチにより、ユーザーは送電網からの購入、蓄電、発電、エネルギー需要を自律的に管理できるようになり、電気自動車(EV)のフリートのような他の分散型エネルギーリソース(DER)とソーラー技術のシームレスな統合を促進します。

    DERテクノロジーをスマートシステムフレームワークに統合するには、機械学習や人工知能 (AI) などの高度な専門知識とスキルが必要です。

    しかし、その見返りは十分あります。 効率的な運用のシステムは、エネルギーの限界費用を徐々にゼロまで下げることができます。この戦略的アプローチは、エネルギーの使用を最適化するだけでなく、組織にとってより持続可能な未来に向けて重要な一歩です。

    送電網と統合型電気エネルギー貯蔵の標準化

    Birdwood EnergyのCEOであり、BSI電気エネルギー貯蔵技術委員会の責任者でもあるScott McGregor氏は、送電網(グリッド)と統合電気エネルギー貯蔵の標準化を総括しています。

    エネルギー貯蔵と分散型発電が次の段階に進むためには、具体的な政策や規制を策定する必要があると、同氏は語ります。

    「ここでは、取り組むべきことがかなりあります。まず、規制を緩和する必要があります。エネルギー貯蔵は、発電と一括りにするのではなく、それ自体が取引や所有が可能な資産クラスとして捉えられるべきです。エネルギー貯蔵を送電網に接続しやすくする必要があります。最終的には送電網がより効率的に機能し、再生可能エネルギーの利用が増えるのに役立つからです。

    安全上のリスクはありますが、明確で一般に理解されている基準と手順によって、リスクを軽減し、管理することができます。標準は、「ストレージデバイスが他の部品とこのようにインターフェースし、安全で耐久性があり、品質アプローチに従っている限り、問題ありません」という程度に柔軟にする必要があります」

    さらに、明確な標準を設けることで、新たな投資家を惹きつけることができます。システムが安全で耐久性があり、認証されている場合、信頼が構築され、インフラへの実質的な投資が奨励され、分散型電源が供給される企業や地域が増えます。

    勢いを増すエネルギー貯蔵

    イギリス(UK)やオーストラリアにおける突出したプロジェクトを原動力に、エネルギー貯蔵はますます勢いを増しています。イギリスのレイトンバザードにおける「Smarter Network Storage(SNS)」プロジェクトと、オーストラリアのジーロングにおける「Victorian Big Battery」プロジェクトにより、両国はエネルギー貯蔵市場におけるリーダーとしての地位を確立しました。

    しかし、注目すべき点は、全体的な需要に比べ、現在のストレージ容量が依然として比較的低水準にとどまっていることです。