BSIグループジャパン(英国規格協会)、個人と組織が共に発展し、成功へ導く加速要因を見出す「多様な年齢層の人材が活躍し、繁栄する組織とは」抄訳版(日本語)レポートを発表


BSIグループジャパン株式会社(所在地:横浜市西区みなとみらい、代表取締役社長:漆原 将樹、以下「BSIジャパン」)は、多様な年齢層からなる労働力を成功へと導くのに不可欠な「加速要因」を明らかにするため、「多様な年齢層の人材が活躍し、繁栄する組織とは」抄訳版(日本語)レポートを発表しました。

近年、多くの経済圏で人口動態が変化しています。それは、人口の高齢化に伴い勤続年数が増加することを意味しており、未来の組織ではこれまで以上にさまざまな年代の人が同時期に同じ職場で働くようになるでしょう。組織はどのようにして、誰もが生涯にわたって有意義なキャリアと、持続可能な仕事を続けられるよう支援できるのでしょうか?

British Standards Institution(以下「BSI」)では、これらの変化に対応するために社会全体と協力する機会があると考えています。私たちは、今日行動を起こすことで、明日の職場で人々が活躍し、組織も成長することができると考えています。私たちのパーパス(存在意義)は、公平な社会と持続可能な世界に向けた進展を加速させることです(Impact for a fair society and sustainable world)。その観点から、多様な年齢層からなる労働力の成功に寄与する「加速要因」を明らかにするため、BSIは本レポートを作成しました。

■世界の概況

世界中の人々の寿命が伸び、高齢化が進んでいます。World Health Organizationによると、60歳以上の人が世界人口を占める割合は、2015年から2050年の間に12%から22%とおよそ2倍になります。また、10年後までに6人に1人は60歳以上になり、2050年までには80歳以上の人の数が4億2,600万人に達すると考えられます。この数は、南アメリカ全体の人口に匹敵します。すべての80代が労働力にとどまるとは限りませんし、一部の国では、移民の流入が減少を食い止める可能性もあります。しかし、International Labour Organizationは、「ほとんどすべての先進国と多くの新興国において人口の高齢化が加速しており、労働力の減少を引き起こしており、人口動態的に活力のある地域からの海外移住によって相殺できる可能性は少ない」と述べています。

■日本の概況

超高齢化社会に分類される、日本の高齢化率(総人口に占める65歳以上の高齢者の割合)は世界第2位です。日本財団は、早ければ2025年には5人に1人が75歳以上になり、社会保障制度および経済が逼迫すると報告しています。一方、日本の出生数は減少しています。少子高齢化はつまり、公共的なサービスを必要とする人口が上昇する中、若者の人口は相対的に減少することを意味しています。また、政府の調査によれば、60歳以上の約40%が、働ける限り働きたいと考えていることが明らかになりました。

■日本の優先事項

上記の背景をふまえ、調査結果から日本の優先事項が明らかになりました。

  1. 働き方の柔軟性(個人)
    日本では、「働き方の柔軟性(63%)」が優先事項の最上位となっており、これは、世界の各市場と同様で最も高い結果(54%)となりました。いつ、どこで、毎週どの程度働くかなど、従業員は年齢を重ねれば重ねるほど柔軟性を重要視していることが分かります。

  2. 高い生産性の維持(個人)
    「人々や社会のために役立ち、高い生産性を維持すること(またはその両方)51%」の優先順位は2番目に高いという結果でした(世界的には39%7位)。日本人は、どのように働くかだけでなく、なぜ働き、何を成し遂げるかも重要視していると推測されます。

  3. スキルの維持・向上(個人)
    「スキルの維持・向上は(49%)」は3番目に高く、キャリアを通して、新しい職務におけるリスキルや学びの機会提供へのニーズは世界と比べると高い結果(世界的には45%で5位)となりました。

  4. 健康および精神的なウェルビーイングの維持(個人)
    日本では、精神的なウェルビーイングの改善(かつ職業に起因する病気や死の減少)に対する需要が高まっているにもかかわらず、優先順位は(49%)4番目となり(世界的には54%で2位)、世界と比べると低い結果となりました。

  5. 挑戦しがいのある仕事の提供(ビジネス)
    ビジネスの観点から、「挑戦しがいのある仕事の提供への注力(72%)」は最も高く(世界平均は43%で4位)出ており、職場で成果を上げ、より良くなるために絶えず努力することの重要性を雄弁に語っているともいえます。

■監修者のコメント

BSIのヒューマン&ソーシャルサステナビリティ グローバル責任者である、Kate Fieldは次のように述べています。

“多くの経済圏で、人口動態が変化しています。私たちは、今日行動を起こすことで、明日の職場で人々が活躍し、組織も成長することができると考えています。私たちのパーパス(存在意義)は、公平な社会と持続可能な世界に向けた進展を加速させることです(Impact for a fair society and sustainable world)。BSIは、未来の働き方への旅路においてパートナーであり続けることを約束し、その最初の一歩としてこの調査レポートをご紹介できることを大変うれしく思います”

■調査方法について

レポートの作成にあたり、9つの世界市場(英・米・中、日、仏、独、オーストラリア、インド、オランダ)で、7つの分野で活躍する932名のビジネスリーダーを対象に、調査を実施しました。回答結果から、超高齢化社会に分類される、日本の労働力を成功に導くための優先事項について、個人、ビジネス、政府・社会の3つの観点から考察しました。

■「多様な年齢層の人材が活躍し、繁栄する組織とは」抄訳版(日本語)レポートのダウンロード

「多様な年齢層の人材が活躍し、繁栄する組織とは」抄訳版(日本語)レポートはこちらよりダウンロードいただけます。
URL:https://www.bsigroup.com/ja-JP/topics/prioritizing-people/Flourishing-in-the-age-diverse-workforce/

■参考情報

レポートの全文(英語)はこちらよりダウンロードいただけます。
URL:https://www.bsigroup.com/en-GB/insights-and-media/insights/whitepapers/evolving-together-flourishing-in-the-age-diverse-workforce/