BSIジャパン、 ⽇本初となるISO 19650に基づいたBIM BSI Kitemarkを大和ハウス工業に認証

2021年2月25日

BSIグループジャパン株式会社(横浜市西区みなとみらい、代表取締役社長:根本 英雄、以下 BSIジャパン)は、大和ハウス工業株式会社(大阪市北区梅田、代表取締役社長:芳井 敬一、以下 大和ハウス工業)に対し、日本初となるISO 19650-1※1およびISO 19650-2※1に基づいた 「設計と建設のためのBIM BSI Kitemark(カイトマーク)」 を認証しました。(認証登録日:2021年2月11日)

Ceremony with Daiwa House

認証授与式の様子
左側:大和ハウス工業株式会社 上席執行役員 南川 陽信
右側:BSIグループジャパン株式会社 代表取締役社長 根本 英雄

 

昨今、建設業界におけるデジタル化が急速に進んでいます。プロジェクトの開始から建設物の廃棄までのプロセスを、ビッグデータやIoT、クラウド、BIM(ビルディングインフォメーションモデリング)などを駆使して、効率的に管理する手法が取り入れられ始めています。
BIMは、デジタルモデリングを使用して、初期設計から建設、保守、最終的に廃棄に至るまで、建設資産のライフサイクル全体にわたる情報管理の仕組みです。3次元の仮想建設環境(共通データ環境)において、エンジニアや所有者、建築家、請負業者間とのコラボレーションを可能にし、効率的な情報共有ができます。

ISO 19650は、BIMを使用して建設された資産のライフサイクル全体にわたって情報管理を行うための国際規格です。BIMレベル2※2と同様の原則と高レベルの要件がすべて含まれ、本ISOの前身となるPAS 1192規格と密接に連携しています。本要件を満たしていることを証明することは、成熟したBIMの導入を示すことになります。

BSIジャパンでは、BSI Kitemark認証及び検証サービスの提供によって、お客様のBIM成熟度を証明するサービスを展開しており、大和ハウス工業によるBIM BSI Kitemark認証は、今回日本初となります。

 

詳しくはBSIジャパンのwebサイトをご覧ください。

https://www.bsigroup.com/ja-JP/Building-Information-Modelling-BIM-ISO19650/

- 注記 –

※1:ISO 19650は、BIMを含む、建築及び土木工事に関する情報の統合及びデジタル化
ISO 19650-1:2018 は、BIMを使用した情報マネジメント:概念及び原則
ISO 19650-2:2018 は、BIMを使用した情報マネジメント:資産のデリバリーフェーズ
ISO 19650-3:2020は、BIMを使用した情報マネジメント:資産の運用フェーズ
ISO 19650-5:2020は、BIMを使用した情報マネジメント:情報マネジメントへのセキュリティを意識したアプローチ

※2:英国政府は2016年4月以降、建物やインフラストラクチャーを含む中央調達政府プロジェクトに入札する建設サプライヤーに対して、BIMレベル2で作業することを要求しています。英国ではBIMの成熟度によって、レベル0からレベル3まで設定されています。

 

■大和ハウス工業 上席執行役員 建設デジタル推進担当 南川陽信のコメント

- BIM BSI Kitemark認証取得の目的
大和ハウス工業では、2017年より全社でBIMに取り組み、建築系の設計部門においては、2021年3月までに完全BIMに移行できる見込みとなっています。しかし、日本では、BIMについて達成度程度の指標しかなく、具体的にBIMの内容を評価する指針がありませんでした。今回、BIMに関するISOが発行されたことで、弊社のBIMが、世界でも通用するものであることを確認するために、ISO 19650-1およびISO 19650-2の設計段階での認証取得に踏み切りました。

- BIM BSI Kitemark構築による成果、工夫、苦労した点
苦労した点としては、ISO 19650-1およびISO 19650-2が、日本での設計・施工業務と少し異なる背景で作られたと思われる部分があり、規格に対しての解釈が難しかった点と、規格で必要とされる資料のひな形から手探りで作っていかなければならなかった点です。
しかし、解釈を進めていくと、このISO 19650-1およびISO 19650-2の内容が、日本でも十分通用することがわかり、実務においてどのような形で利用すればよいかを考えていくことで、資料も問題なく作成することができました。

 - 認証機関にBSIを選んでいただいた理由、また審査の感想
日本語でBIMの規格であるISO 19650-1およびISO 19650-2の審査を受けるには、BSI以外に選択肢はありませんでした。審査員の方と日本語でコミュニケーションが図れ、審査においても適切な指摘を頂けることができ、今後の弊社のBIM推進の参考にもなりました。

- 今後の活用について
日本で初のISO 19650-1およびISO 19650-2の認証を受けた企業として、弊社のBIMの技術を用いて、よりお客様に満足度の高い建物造りを行ってまいります。