“ISO 13485-医療機器-品質マネジメントシステム-規制目的のための要求事項”のFDIS(最終国際規格案)が発行
2015年11月5日
国際的に認知されている医療機器業界における品質マネジメントシステム(QMS)の規格である、“ISO 13485 - 医療機器 - 品質マネジメントシステム -規制目的のための要求事項” は、2010年以来、改定作業が続けられています。
この度、世界中のユーザ及び専門家からのフィードバックをもとに改定が加えられたFDIS(最終国際規格案)が2015年10月29日に発行されました。
この規格は医療機器が適用される規制要求事項を満たす能力があることを立証する必要がある場合の品質マネジメントシステム要求事項を規定しています。これにより、意図された使用目的において安全な医療機器の、一貫性のある設計、開発、生産、設置、及び提供が確実なものとなります。
また、ISO 13485は、医療機器メーカーがプロセスの効率性を確立し、維持するためのQMSを構築するにあたり、助けとなるものです。整合規格(Harmonized Standard) であるISO 13485 は、進化を続ける欧州指令(European Directives)、及び2003年の最終改定以降に発生したその他の国際的な規制の変化に対して、医療機器メーカーが適合するうえでの一助となります。
これまでに2回のパブリック・コメントの募集があり、1500件に及ぶコメント、及び、事業者団体、医療機器メーカー、学会、個人の専門家からの協力的なインプットが寄せられました。新しいISO 13485 は、2016年春に発行される見込みです。
新しいISO 13485 は、サプライ・チェーン全体にわたって適用することが可能で、医療機器のすべてのライフサイクルを網羅しようとしています。
主な変更点は下記の通りです:
- 規制要求事項との調和
- QMS全体を通してのリスクマネジメント
- バリデーション(妥当性確認)、ベリフィケーション(検証)、及び設計の活動に関するさらなる明確化
- サプライヤーの管理プロセスの強化
- フィードバックの仕組みに関するさらなる強調
- QMS、製造プロセス、及び医療機器のためのソフトウェア
現在、BSIから認証を取得しているお客様は、ISO 13485:2003(またはEN ISO 13485:2012)から移行するにあたり、最新版規格の発行日から3年間の猶予期間があります。BSIは、この移行が可能な限り円滑に進められるように、関連文書の公開やトレーニング等を通じて、ご支援させていただきます。
http://medicaldevices.bsigroup.com/ja-JP/our-services/ISO-13485-Revision/
ご参考資料として、ホワイトペーパー 「ISO 13485 - The proposed changes and what they mean for you」(英語)をBSIホームページ上で公開しておりますので、合わせてご参照ください。
http://medicaldevices.bsigroup.com/ja-JP/resources/whitepapers-and-articles/
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補足
- 整合規格との整合(“Harmonization”)のステータスについては、追って決定されます。
- ISO 13485 は、独立した規格です。ただし、全般的にファミリー規格であるISO 9001 との調和は取れています。
- 新版のISO 13485 は、ISO 9001:2008 と同様の章構成となり、ISO 9001:2015で採用されているハイレベルストラクチャは採用していません。
- 新ISO 13485 Annex Bは、ISO 9001:2015 との条項の対比表を提供しています。